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ユーサの近未来よもやま話~part4~

皆さんこんにちは!

株式会社ユーサの更新担当の中西です!

 

次世代の素粒子物理学への挑戦

SuperKEKB加速器は、日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)により運用されている次世代型の電子・陽電子衝突型加速器です。前身であるKEKB加速器を進化させ、世界最高の衝突輝度を達成することを目指し、素粒子物理学の未解明分野に挑戦しています。本記事では、SuperKEKB加速器の仕組みや目標、研究の重要性について深掘りして解説します。


🌌 SuperKEKB加速器の概要

SuperKEKB加速器は、電子(e⁻)と陽電子(e⁺)を超高速で衝突させることで、高エネルギー状態を再現し、素粒子の性質や標準理論を超える新しい物理現象を探るための装置です。その主な特徴は以下の通りです:

  • 所在地:日本、茨城県つくば市
  • 運用機関:高エネルギー加速器研究機構(KEK)
  • 稼働開始:2018年
  • 目的:CP対称性の破れ、ダークマター候補粒子、標準理論を超える物理現象の探索
  • 世界最高の衝突輝度:$8 \times 10^{35}$ 1/cm²/s(設計目標)

⚙️ SuperKEKB加速器の仕組み

SuperKEKB加速器は、電子と陽電子を超高速で反対方向に加速し、正確に衝突させます。そのために、高度な技術が駆使されています。

1. 二重リング構造
  • 電子リング(LER):陽電子を加速
  • 陽電子リング(HER):電子を加速 電子と陽電子は別々のリングで加速され、最終的に衝突点で正確に衝突します。
2. ナノビームスキーム
  • ビームの断面積を極小化(ナノメートルオーダー)することで、衝突輝度を大幅に向上させています。この技術により、より多くの粒子衝突を観測することが可能です。
3. 強力な磁場
  • 超伝導マグネットや常伝導マグネットが使用され、粒子ビームを正確に制御し、高い安定性を保ちながら加速・衝突を行います。
4. Belle II実験装置
  • SuperKEKBの衝突点にはBelle II検出器が設置されており、衝突から生じる膨大なデータを解析します。この検出器は、粒子の種類、エネルギー、運動量を高精度で測定します。

🌟 SuperKEKB加速器の目的と科学的意義

SuperKEKBは、素粒子物理学において以下の課題に挑戦しています。

1. CP対称性の破れ
  • 標準理論では、物質と反物質はほぼ同量存在するはずですが、実際には宇宙には物質が圧倒的に多く存在します。SuperKEKBは、この「CP対称性の破れ」を高精度で測定し、宇宙の成り立ちに迫る鍵を探ります。
2. 新物理の探索
  • 標準理論を超える物理現象(例:ダークマター、超対称性粒子など)の存在を示す兆候を観測することが目標です。
3. 精密測定
  • 素粒子の性質や相互作用を高精度で測定し、標準理論の限界を探ります。

🧪 SuperKEKB加速器がもたらす成果

SuperKEKBは、稼働以降すでに多くの科学的成果を上げており、今後も期待が高まっています。

  • 衝突輝度の記録更新:従来のKEKB加速器を大幅に上回る衝突頻度を達成。
  • データ収集量の増加:Belle II検出器により、標準理論に挑む新しいデータが蓄積されています。
  • 国際共同研究の推進:世界中の研究者がSuperKEKBとBelle II実験に参加し、国際的な科学技術の発展に貢献。

🚀 SuperKEKBの未来

SuperKEKB加速器は、さらなる改良と運用を通じて、以下の目標を追求します:

  1. 設計輝度の完全達成 世界最高レベルの衝突輝度を維持し、新しい物理現象の発見を目指します。
  2. データ解析の高度化 AIやビッグデータ解析技術を活用して、膨大な実験データを効率的に解析します。
  3. 新しい加速器技術の開発 次世代の粒子加速器や宇宙研究への応用技術を開拓します。

📝 まとめ

SuperKEKB加速器は、素粒子物理学の最前線に立つ装置であり、宇宙の成り立ちや標準理論を超える新しい物理現象の探求に寄与しています。その高い技術力と研究成果は、科学界だけでなく、私たちの生活や未来の科学技術にも大きな影響を与えるでしょう。世界が注目するSuperKEKB加速器の挑戦は、これからも続きます。

 

 

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